医療広告とウェブにはガイドラインがあります。
2017年8月から医療機関ネットパトロールが始まりました。
WEB集患をはじめる前に、確認して
おくべきガイドラインがあります。
医療広告ガイドライン
歯科医業又は病院が行う広告と、その適正化のための指導等に関する指針です。以下の3要件のすべてに該当するものが広告規制の対象範囲となります。
- 患者の受診等を誘引する意図があること(誘因性)
- 歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)
- 一般人が認知できる状態にあること(認知性)
医療機関ホームページガイドライン
ウェブサイトは広告とは異なるという見解から、原則では法の規制対象と見なさないこととされています。しかし患者にとって有用な情報源の一つとなっているウェブサイトについて、以下の項目について指針が示されました。
- 患者の利用者保護の観点から、不当に国民・患者を誘引する虚偽又は誇大な内容等のホームページに掲載すべきでない事項
- 患者に正確な情報が提供され、その選択を支援する観点から、通常必要とされる治療内容、費用、治療のリスク等のホームページに掲載すべき事項
詳しくは厚生労働省ウェブサイト内の「医療法における病院等の広告規制について」ページ内の関係規定等をご確認下さい。
<厚生労働省 関連ページ> http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/
そもそも歯科医院がインターネットで
広告を出すことに問題はないのか?
それは、医療広告ガイドラインの「基本的な考え方」で触れられています。
①医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。
②医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。
以上の事から患者等の利用者保護の観点に立ち、限定的に認められた事項以外は原則として広告禁止という基本的な考え方を堅持しつつも、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、客観性・正確性を確保し得る事項については、広告事項としてできる限り幅広く認めることとされています。
「客観性・正確性を確保し得」れば認められます。
規定に違反、または違反が疑われる広告
「日本一の歯医者」「〇〇地区で最も患者が多く通うデンタルクリニックはこちら」「number-one-dental.com」「県内一の歯科医師数を誇ります」「インプラントでは市内有数の実績を持つ歯科医院です」「どこよりもリーズナブルな審美歯科治療を行っています」
建物写真は自院のもの、回復を保障すると誤認を与えるおそれのあるイラストは認められない。「hanarabi-naoru.jp」、「インプラント専門医が治療します」、「茨城県知事の許可を取得した歯科医院です」
「厚生労働省認定の歯周病専門医が在籍」、「最高の歯科医療を提供」、「医療の安全を保障」、「万全の安全管理体制」、「著名人も当院にて治療」、「理想の治療環境」、「比較的安全な手術です」、また患者の治療体験談など、客観的事実であることを証明できない内容の広告。
公序良俗に反する内容の広告。
公序良俗に反する広告以外に「インプラント科」「審美歯科」などの広告が可能ではない診療科名や、「未承認医薬品を使った最先端歯科治療」などの承認又は認証を得ていない医療機器を広告したり、医療機器が特定可能となる販売名や型式番号の掲載、「歯周病専門外来」など広告が可能な診療科名と誤認を与えるという理由で認められない広告もあります。
歯科医院の広告で掲載出来ない具体的な事例 その1
医療機関の広告に新聞や雑誌の記事等を引用又は掲載した場合、当該記事等の記述は、医療法やガイドラインの適用を受けます。他の医療機関名も含めてそのまま掲載したとしても、雑誌社等が評価した結果は、医療法やガイドラインで示している広告が可能な事項に該当せず、また、掲載されていない医療機関よりも優れた旨を示す比較広告になることから、医療機関の広告物に記載することはできません。ただし、当該記事等に記載された内容が、医療法やガイドラインを遵守した広告が認められるものであれば、医療機関の広告に新聞や雑誌の記事等を引用又は掲載することは可能です。
「自由診療のうち薬事法の承認又は認証を得た医療機器を用いる検査、手術、その他の治療の方法」として、我が国の薬事法上の医療機器として承認されたインプラントを使用する治療の場合には、公的医療保険が適用されない旨と治療に掛かる標準的な費用が併記されていれば広告が可能です。しかし、歯科医師の個人輸入により入手したインプラントによる治療は広告できません。
歯科医院の広告で掲載出来ない具体的な事例 その2
特定の歯科医師個人が行った手術件数については広告することができません。しかし当該歯科医療機関で行われた手術の件数については、広告ガイドラインで示した範囲で広告することが可能です。
治療前
治療後
治療の効果に関する表現に該当するため広告できません。治療効果については、個々の患者の状態等により当然にその結果は異なるものであり、効果について誤認を与えるおそれがあることから、広告することはできません。なお、治療結果の分析を行っている旨及び当該分析の結果を提供している旨については、広告をすることが可能です。
歯科医院の広告で掲載出来ない具体的な事例 その3
「審美治療」という表現で行われる医療行為については、現時点で医学的・社会的に様々な意見があり、広く定着していると認められていないため、広告できません。ただし、個々の治療の方法については、広告告示第2条第1号から第5号に規定する広告可能な治療方法であれば、その治療方法について広告することは可能です。
第2条法第6条の5第1項第11号に規定する厚生労働大臣の定める事項は、次のとおり。
- 厚生労働大臣の定める診療報酬点数の算定方法(平成18年厚生労働省告示第92号)に規定する検査、手術その他の治療の方法
- 厚生労働大臣の定める評価療養及び選定療養(平成18年厚生労働省告示第495号)に規定する検査、手術その他の治療の方法
- 分娩(第1号に係るものを除く。)
- 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第7条第1項に規定する医療保険各法及び同法に基づく療養等の給付並びに公費負担医療に係る給付(以下「医療保険各法等の給付」という。)の対象とならない検査、手術その他の治療の方法のうち、第1号又は第2号の方法と同様の検査、手術その他の治療の方法(ただし、医療保険各法等の給付の対象とならない旨及び標準的な費用を併記する場合に限る。)
- 医療保険各法等の給付の対象とならない検査、手術その他の治療の方法のうち、薬事法(昭和35年法律第145号)に基づく承認若しくは認証を受けた医薬品又は医療機器を用いる検査、手術その他の治療の方法(ただし、医療保険各法等の給付の対象とならない旨及び標準的な費用を併記する場合に限る。)
歯科医院の広告で掲載出来ない具体的な事例 その4
「できる限り歯を削らず痛くない治療を目指します」といった治療の方針を広告することは可能です。ただし「できる限り歯を削らず痛くない治療を目指します(99%以上の満足度)。」のような成功率などの治療の効果に関する表現とともに治療の方針を表現することや、「痛くない治療を行います。」のような科学的根拠がなく虚偽広告や誇大広告のおそれがある表現は広告として使用できません。
無料で健康相談を実施している旨についての広告は可能ですが、広告するに際し、費用を強調した広告は品位を損ねるもので、適切ではありません。
「最新の治療法」や「最新の医療機器」であることが、医学的、社会的な常識の範囲で事実と認められるものであれば広告は可能です。より新しい治療法や医療機器が定着したと認められる時点において、「最新」と表現し続けることは虚偽広告や誇大広告に該当するおそれがあります。また、より新しい治療法や医療機器が存在しない場合でも、十数年前のものである場合等、常識的な判断から「最新」との表現が不適切な場合があり、誇大広告等に該当するおそれがあります。